小学英語を始める際の注意点

8月2日(火)付の朝刊で、次期学習指導要領の中間報告が、掲載されていました。巷間で指摘されていたように、現在小学5年生から「外国語活動」として実施されている英語の授業が、正式に教科化され、小学3年生から「外国語活動」が前倒しされることになります。


これまでの受験英語の弊害から、「使える英語」を身に付けるべく改革が進行しています。保護者の皆様の英語教育に対する関心も、日増しに高まり、「会話力」を中心に注目が集まっています。遊びを加味しながら、楽しく英語に親しむことは、お子様の関心を高め、前向きな姿勢を身に付ける上で、有益なことであると思っています。


英会話教室へ通うことは、決して悪いことではないのですが、その際に注意が必要な点が、一つあります。それは、中学以降で学習する文法や単語・熟語のマスター(英語を書く学習)につながる授業が、しっかり行われているかを確認する必要があるということです。


ご存知の通り、中学以降の英語では、書く能力(Writing)を中心に評価されることが、圧倒的に多くなります。今後は、聞く(Listening)・話す(Speaking)能力の比重も高まりますが、学習内容が高度になるにつれ、正確なインプットが欠かせなくなります。しっかりした土台がなければ、結局望むような英語の運用能力は身に付かないのです。


何かと悪者扱いされる受験英語ですが、今後の社会で広く活躍する際の武器となる英語力を身に付けるには、その正確なマスターが不可欠です。現在、国際的に幅広く活躍されている方々は、いわゆる受験英語で培った知識をベースに、発信力を自己研鑽で身に付け、生きた英語をモノにしています。


確かに私の世代も含め、英語での発信能力を高めるトレーニングは、明らかに不足していました。今後は、これまでの書く・読む能力をベースに、聞く・話す能力を高める要素を加味した授業が、求められることは疑いありません。これまで以上に、英語学習の時間が必要になるため、小学校ではスキマ時間の活用が検討される事態を迎えています。


小学生から英語に触れることは、プラス面もありますが、何となく学んでいるというスタンスに潜むマイナス面も忘れてはいけません。勉強しているのに、いつまで経っても英語が分からないというお子様も、少なくないのです。この状態が続くと、英語を学ぶことに苦痛を感じることになり、中学入学前に「英語嫌い」となる可能性があります。


それを防ぐには、学んだことがしっかり知識として定着させること。遊びながら会話を楽しむことも良いのですが、そこは学習であることを忘れてはいけません。「中学入学前に英検3級合格」等の目標を設定して、学習のモティベーションを高める努力をするのも、効果的な英語学習を継続させる一つの有力な方法です。


小学生の英語学習には、お子様の学習全般に係わる力を把握した上で、状態に合った指導を受ける必要があります。決してムリな学習に追い込むことなく、外国語を学ぶ楽しさを感じながら、地道に定着が図れる環境が、最も理想的な姿勢であると思います。

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