受験生は「9月病」に注意!!

長かった夏休みも、あと一週間余りで終わりますね。学生の頃を思い出すと、終わりゆく休みの日々に寂しさが募ったものです。とは言え、受験生はこれからが本当の正念場。この夏から、ようやく学習へのギアが入った状態だと思うので、このペースを維持することが、今後の大きな課題です。ところが、休み明けには大きな穴が待ち受けています。


私が勝手に名付けている「9月病」というのが、その大きな穴です。と言うのも、夏休み期間中は、多くの受験生が部活を引退し、それを契機に塾で集中学習に取り組むこともあり、学習のモティベーションが高まります。そのため、親御さんから見て「いよいよ我が子もエンジンが掛かり始めたな」と安心したのもつかの間、学校がスタートして、また元の生活サイクルに戻っていきます。


そうすると、塾で毎日目にしていた学習に取り組むライバルの姿から解放され、1学期までの環境に戻ることになります。今の子どもたちは、周囲から勉強している姿を感じさせないことに腐心する傾向があり、気を付けないとせっかく高まった受験への気持ちが弱まることが。受験という大きなプレッシャーから逃れたい心理が働き、モティベーションが落ちる時期が、まさに9月なのです。


我が子を9月病から避けるには、どうすればよいか。受験生をお持ちの保護者の皆様は、非常に気になる点でしょう。今回は、私の経験上で知り得たポイントをご紹介致します。

1 まずは、志望校(併願校も含む)をはっきりと決めること

当然のことですが、目標が漠然とした状態では、受験へのモチベーションは上がりません。夏休み期間中に、学校見学に行かれた方も多いと思います。実際に自分の目で見て、その学校の魅力を感じているはずです。入学後を視野に入れ、具体的な学校生活について考えてみて下さい。そうすると、思う以上に前向きな気持ちが沸き始め、受験へのモティベーションを高められます。

その際に、併せて検討してほしいのが、併願で受験する私立高についてのこと。第一志望に気を取られ、どうしても後回しになりがちですが、万が一の際には、進学する可能性があることを考えると、選択を決して疎かにはできません。第一志望が決まると、それに合わせて決めることができるので、理想としては同時に決めてほしいところです。

2 夏休み中に取り組んだ学習成果をはっきりさせること

人間誰しも、自分の努力が明確になると、今後に向けて前向きな気持ちが生れます。初めての受験に際して、お子様は自分なりに頑張ったはず。教科ごとに取り組んだ内容について、簡単で良いので、「夏休みにできたことリスト」を作ることをお薦めします。そうすることで、2学期以降の学習課題が見えてくるので、具体的な方向性も明確にできます。

3 志望校からの「距離」をしっかり把握すること

これはもちろん、通学に際してのことではありません。お子様の現状の学力と、志望校合格に必要な学力の差をしっかり把握するという意味です。端的には、すでに始まっている実力模試を受験することで、その「距離」が明確に分かります。

模試の結果を見て注意したいのが、結果のみに一喜一憂し、模試の本来の目的を忘れてしまうこと。大切なのは現状での距離を把握して、今後の学習の指針とすることです。模試でミスした問題の分析を通じて、学力の底上げに欠かせない方針が、初めて明確にできます。

4 2学期定期テストの目標得点を設定すること

2学期が始まって、1か月が過ぎると中間テストが実施されます。このテストは、夏休みでの学習成果が表れる点でも非常に重要です。内申点にも大きな影響があるため、しっかり対策を講じる必要があることは、皆様ご存知でしょう。夏休みが終わる前に、学習計画を立てることをお薦めします。

実はこの中間対策が、9月病を避ける上で重要なポイントになります。お子様は、頭では分かっていても、受験が迫るのはあと半年ほど先のことなので、モティベーションの継続が難しいもの。小さな目標を達成していくことで、自信が持てるようにすることが、受験で成功するための鍵です。これまで以上に、綿密なテスト対策を講じる理由はここにあります。


2学期がスタートすることで、これまでの環境に戻ってしまうことのリスクに目を向けて、夏で高めた学習意欲を継続させることが、志望校合格に欠かせないことを改めてご理解頂ければと思います。夏で頑張ったお子様ほど、陥りやすい大きな穴ですが、お子様に優しく寄り添う気持ちで接することが必要なことも、最後に添えたいと思います。

普通の子が大きく変わる学習のすゝめ

プロ講師としての経験をもとに、普通の子が大きく伸びる学習を提案します。

0コメント

  • 1000 / 1000